専業主婦の社会復帰に資格は必要か。怖い気持ちを資格に逃げずに乗り越える方法。
一昔前までは、女性の結婚=永久就職といわれていました。女性の結婚とは、家庭に就職しその後はずっと専業主婦として家庭に勤務することだ、という意味合いです。しかし、最近では永久就職という言葉もあまり聞かなくなり、一生専業主婦を続ける人は減少しています。
専業主婦が社会復帰するにあたって必要といわれることが多い資格。ですが資格が本当に重要なのかはよく考える必要があるでしょう。本記事では、専業主婦の社会復帰と資格の関係、また、社会復帰に対する恐怖を乗り越えるためには何をすべきかも併せてお伝えします。
専業主婦は減っている
上のグラフは、厚生労働省が発表したここ35年の専業主婦世帯と共働き世帯の数の推移です。80年代には共働き世帯の2倍近かった専業主婦世帯ですが、90年代後半にはほぼ同数になり、その後両者の数は完全に逆転。その後も差は開き続け、2014年には完全に専業主婦世帯のほうが少数派になっていることがわかります。
専業主婦が社会復帰を望む理由
これについてはこちらの記事をご覧下さい。
→30代40代50代女性の共働きと専業主婦の割合の推移。ワーキングマザーが増える理由とは。
専業主婦が社会復帰を望むタイミング
では、一度専業主婦になった女性は、どのタイミングで社会復帰することを考えるのでしょうか。
上のグラフによれば、専業主婦の社会復帰のタイミングは、「子供が大きくなったとき」、と考えている人が多いようです。
もっとも、この調査では「子供が大きくなったとき」を具体的にいつと考えているかまではわかりません。なので以下ではいくつか可能性を考えてみます。
出産後8週間
労働基準法により、企業は原則として出産後8週間は女性を就業させることができません。保育園もこれに合わせ、早いところでも預かり可能なのは生後57日目から、となっているようです。
恐らくこのタイミングが最短での社会復帰となりそうですが、よほどの事情がない限り、これは早すぎるのではないかと思います。
3歳
保育園は早いところで生後57日目から子供を預かるとしています。しかし、子供のことを考えると、保育園に預けるのは3歳からがいい、という専門家も多いようです。
その理由は、子どもの脳は3歳までに80%が完成されるから。それまでは親が時間と愛情をかけて育てることが、その後の子供の発育にとって重要なのだそうです。
小学校入学
幼稚園までは子供が何をするにも基本的に大人がついていなければいけません。しかし、小学校に入学すると、登下校から友達と遊ぶときまで子供だけでの行動がぐっと多くなります。そのため、子育ての負担の軽くなった専業主婦が、このタイミングで社旗復帰を考え始める例は多いようです。
中学校入学
子供が中学に入学すると、部活動や塾などで家に帰る時間が遅くなるため、専業主婦の負担はますます軽くなります。また、仕事のブランクや年齢的を踏まえると、このあたりが社会復帰のリミットだと考える人も多いようです。
専業主婦の社会復帰が難しい理由
子育てがひと段落し、いざ社会復帰を考え始めても、そう簡単に仕事が見つかるとは限りません。その大きな理由は、専業主婦は年齢と社会人としての経験・能力のバランスが取れていない、と考える企業が多いことでしょう。
社会人としての能力経験が乏しいのは学生も同じですが、学生は若い分能力の伸びしろがありますから、即戦力にはならなくてもあっという間に仕事を覚えてしまいます。同じく社会経験が乏しいなら、若い人を取りたい、というのが企業の本音でしょう。
それまで家事や子育てを頑張ってきたのだから仕方のないことですが、企業が社会復帰を考える専業主婦を積極的に採用する理由はほとんどありません。ちなみに、先の女性の職業に対する意識の調査で最も多かったのは、「子供ができてもずっと職業を続ける方がよい」(44.8%)という答えでした。専業主婦が、年齢と社会人経験のアンバランスが大きくなる前に、少しでも早いタイミングでの社会復帰を考えるのは当然でしょう。
資格は社会復帰の役に立つのか
年齢と社会人経験・能力のアンバランスを解消するために、資格を取るのはどうでしょうか。
確かに、資格の勉強は子育ての間にすることができますし、社会人として必要な能力も磨けそうですから、一見すると社会復帰の準備としてとても良い手段のように思えます。
資格に対する認識のずれ
しかし、隙間時間に数か月勉強したくらいで取得できる資格を企業は本当に評価するでしょうか。実際は、必要な資格があれば入社後に取らせればいいと考えている企業がほとんどです。むしろ安易な資格を履歴書に書くと、この人も何も考えずにとりあえず資格を取ったな、いかにも働いたことのない専業主婦の思考だな、とマイナスに映ることすらあります。
専業主婦側と採用を考える企業側には、資格についての認識に大きなギャップがあるのです。
資格ビジネス業界の思惑
また、専業主婦の社会復帰=資格が必要というイメージは、資格ビジネス業界が作り上げたものにすぎません。
多くの専業主婦は社会復帰に対して2つの恐怖心を持っています。1つは、
・社会人経験のない(乏しい)自分を採用する企業があるだろうか
という気持ち。もう一つは
・いきなり社会の荒波に飛び込むのが怖い
という気持ちです。
どちらの気持ちもとてもよく理解できますし、持っていて当然だと思います。しかし、「社会復帰には資格が必要不可欠ですよ!」「資格を取れば自信がつきますよ!」と資格ビジネス業界は専業主婦の恐怖心を巧みに煽って受験料やテキスト代、さらには新しい資格を作り出すことで儲けているのです。
企業がほしいのは会社に利益をもたらす人材
企業がほしいのは資格を持っている人ではありません。会社に利益をもたらす人です。多くの専業主婦は、家事や子育てにはとても高い能力を発揮しますが、ことお金を稼ぐことに直結する能力は低い。これが専業主婦の社会復帰が難しくなる原因です。
そして、それを解消するのは資格ではありません。ほとんどの資格は会社に利益をもたらす能力の証明にはならないのです。
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また、就職はもちろんですが、これまでの専業主婦としての経験を活かして個人事業主として自宅にいながら稼ぐ、という選択も可能です。社会人経験の乏しさは専業主婦経験の豊富さの裏返し。その場合、専業主婦歴の長さはむしろ強みになるでしょう。
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