47都道府県幸福度ランキング(法政大学調べ)と年収ランキングから幸福と収入の関係を考える。
一度きりの人生をできる限り幸せなものにしたい、と考える人は多いと思います。しかし、何があれば幸せなのかをはっきりと自覚している人は少ないでしょう。今回は都道府県別のランキングから幸福度と収入の関係を考えます。
47都道府県幸福度ランキング
幸福度の一つの測り方として考えられるのは、年収や婚姻率など幸福につながりそうな客観的な指標を集める、という方法。
法政大学大学院政策創造研究科教授の坂本光司氏と幸福度指数調査研究会が2011年に行った「47都道府県幸福度ランキング」も様々な社会経済統計の中から地域住民の幸福度を端的に示していると思われる40の指標ををもとに作られたランキングです。
まずは結果を見てみましょう。
都道府県別幸福度ランキング
順位 | 都道府県名 | ポイント |
1 | 福井県 | 7.23 |
2 | 富山県 | 7.20 |
3 | 石川県 | 6.90 |
4 | 鳥取県 | 6.63 |
5 | 佐賀県 | 6.55 |
5 | 熊本県 | 6.55 |
7 | 長野県 | 6.48 |
8 | 島根県 | 6.35 |
9 | 三重県 | 6.25 |
10 | 新潟県 | 6.18 |
11 | 滋賀県 | 6.13 |
12 | 香川県 | 6.10 |
13 | 岐阜県 | 6.08 |
14 | 山梨県 | 6.05 |
14 | 大分県 | 6.05 |
16 | 山口県 | 6.00 |
16 | 徳島県 | 6.00 |
18 | 広島県 | 5.95 |
19 | 山形県 | 5.93 |
19 | 静岡県 | 5.93 |
21 | 愛知県 | 5.90 |
22 | 岩手県 | 5.88 |
22 | 長崎県 | 5.88 |
24 | 岡山県 | 5.83 |
25 | 群馬県 | 5.80 |
26 | 栃木県 | 5.75 |
27 | 福島県 | 5.73 |
27 | 愛媛県 | 5.73 |
27 | 宮崎県 | 5.73 |
30 | 茨城県 | 5.68 |
31 | 奈良県 | 5.65 |
32 | 和歌山県 | 5.63 |
33 | 千葉県 | 5.53 |
33 | 神奈川県 | 5.53 |
35 | 鹿児島県 | 5.45 |
36 | 宮城県 | 5.43 |
37 | 秋田県 | 5.40 |
38 | 東京都 | 5.38 |
39 | 福岡県 | 5.28 |
40 | 青森県 | 5.25 |
41 | 沖縄県 | 5.20 |
42 | 京都府 | 5.18 |
43 | 北海道 | 5.15 |
44 | 埼玉県 | 5.08 |
45 | 兵庫県 | 5.03 |
46 | 高知県 | 5.00 |
47 | 大阪府 | 4.75 |
上位に来たのは福井県、富山県、石川県といった地味な(と言っては失礼ですが)県。(ちなみに福井県はJタウンネットが行った住みたい都道府県のアンケートでもっとも得票率が低かった県でもあります。)
東京(38位)、大阪(47位)といった大都市は軒並み順位が低いという少し意外な結果となりました。
もっとも、この調査には、犯罪認知数、交通事故件数、出火件数、自殺死亡者数など、人口数が少ない都道府県ほど有利になる指標がかなり含まれています。
例えば、人口100万人のA県で100件の交通事故が起こり、人口1000万人のB県で200件の交通事故が起こった場合、交通事故“件数”を比較するこのランキングでは件数の少ないA県の方が幸福度は高いということになります。
しかし、人口が多くなれば交通事故も多くなるのは当たり前、単純に件数を比較することには疑問が残ります。交通事故発生率を考えた場合、A県は1万人に1件、B県は1万人に0.2件。B県の方が幸福度が高いといえるでしょう。県民が交通事故に巻き込まれる確率を考えた場合、発生率の方がより幸福度に直結しているような気もします。
人口比で比較すべき多くの指標を、単純に数で比較している点で、このランキングには問題もありそうです。
その証拠に、先の幸福度ランキング上位5県は、総務省統計局が発表する人口推計(2011年10月1日時点)で人口が少ない都道府県ばかり。
幸福度ランキング | 人口数ランキング | |
福井県 | 1位 | 43位 |
富山県 | 2位 | 37位 |
石川県 | 3位 | 34位 |
鳥取県 | 4位 | 47位 |
佐賀県 | 5位 | 42位 |
幸福度指数調査研究会の都道府県別幸福度ランキングは、収入はもとより、出生率や平均寿命や離職率といった幸福につながりそうな多数の要素のデータを集め、客観的に幸福度を判断する、という方法自体は説得力があるものなのではないかと思います。
しかし、指標の選択や全40指標の比重がすべて同じという点にはやや疑問が残ります。
都道府県年収ランキング
先ほどの幸福度ランキングの指標には、平均工賃月額(≒月給)も含まれていましたが、そのほかの39指標もすべて等しい割合で考慮されています。つまり先の幸福度ランキングでは収入が幸福度に与える影響は1/40ということになります。
しかし、これは多くの人の直観に反するのではないでしょうか。
世帯年収で1500万円、1人あたりの年収で700万程度までは、年収の増加に比例して幸福度も増加するという研究結果(くわしくはこちらの論文を参照)もあるように、年収と幸福度に大きな関係があるのは明らかです。
そこで、次は都道府県別年収ランキングをみてみましょう。
少し長いですが全47都道府県のランキングを掲載します。
※ちなみにこれは世帯収入ではなく労働者1人の収入です。
これを見ると、東京、神奈川、愛知、大阪、と大都市が軒並み上位にランクインしていることがわかります。都会=高収入というイメージ通りですね。
しかし、1位の東京都でも平均年収は620万程度。年収に比例して幸福度が増加する天井とされる700万円には届いていません。
また、これは年収の平均値。労働者の半分が620万以上の収入を得ているというわけでもありません。労働者内でも所得の二極化が進んでいるとすれば、多くの人は平均620万円よりも大幅に低いのではないかと思います。1位の東京都ですらそこに届いていないのですから、他の都道府県はなおさらでしょう。
多くの人は会社からもらう給料だけでは十分な幸福度を感じるには足りていないのです。
もちろん、幸福度は年収のみで決まるわけではありません。結婚・出産、居住環境、ストレスの有無、打ち込める趣味の有無など、人にもよるでしょうが幸福度を決めるための要素はたくさんあります。平均年収の高い東京などの大都市から、あえて地方へ移住する人が急増しているのも、人生はお金がすべてではない、ということの表れといえるでしょう。
しかし、生きていくためにはお金がかかるのもまた事実。
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