厚生労働省がブラック企業を実態調査し一覧リストを公表すれば労働環境は改善するのか。


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ブラック企業の社会的認知度を高まったのは「ブラック企業大賞」の影響が大きいのではないかと思います。同賞は民間団体によるブラック企業の認定ですが、2015年5月8日より厚生労働省は一定の場合にはブラック企業の名前を送検前に公表する方針を採用しました。これはいわば「国によるブラック企業の認定」。果たしてこれにより日本の労働環境は改善するのでしょうか。

厚生労働省の問題意識

厚生労働省はブラック企業を明確には定義していませんが、極端なノルマや長時間労働、パワハラなど、ブラック企業の典型的な要素をいくつか示しています。

※参照:厚生労働省がブラック企業の定義を曖昧にする理由とは。

 

その中でも、厚生労働省が現在特に問題視しているのが長時間労働

賃料不払い残業やセクハラ・パワハラももちろん大きな問題ですが、過労死等の直接の原因となり労働者の健康や生命に直結するという点で長時間労働は他の問題以上に早期に撲滅すべき問題といえるでしょう。

 

長時間労働に対する対策の一つとして、2013年9月に「長時間労働削減推進本部」が厚生労働省に設置されました。

同部の本部長は厚生労働大臣。厚生労働大臣は厚生労働省のトップですから、いかに国が長時間労働を問題視しているかがうかがえます。

 

長時間労働に対する厚生労働省の対策はこれだけではありません。

2015年4月1日より「過重労働撲滅特別対策班」(通称:かとく)が東京労働局と大阪労働局に設置されました。

「かとく」は違法な長時間労働に関する大規模案件や困難事案等に対応するための専属対策班。検察庁の特捜や国税局のマルサの労働問題版といったイメージですね。

先日、ディスカウントストア大手の「ドン・キホーテ」が従業員に違法な長時間労働をさせたとして労働基準法違反容疑で書類送検された、との報道がありましたが、今後も活躍が期待される組織です。

 

早期の社名公表

そして、2015年5月8日より、厚生労働省はさらなる長時間労働対策を打ち出しました。

それは違法な長時間労働の事実が認められた企業の社名を書類送検を待たずに公表できる、というもの。

※従来の社名公表は書類送検がなされてからでした。

 

早期社名公表の要件としては

1.「社会的に影響力の大きい企業」(=大企業)であること

2-a.「違法な長時間労働」が「相当数の労働者」に認められること又は

2-b.過労による労災支給決定がされること

3.それが「一定期間内に複数の事業場で繰り返されている」こと

などが挙げられていますから、早期社名公表は多数の労働者が違法な長時間労働を強いられているケースを想定しているようです。

参照:ブラック企業公表基準から厚生労働省が中小企業を外した理由とは。

20161226日、企業名公表の新基準が発表されました。

電通の過労自殺を受けての改正のようで、より過労死・過労自殺を意識した内容となっています。

詳細はこちらに掲載されていますが、

大きな変更点は、

1.「違法な長時間労働」の基準が月残業100時間から月残業80時間に引き下げられた

2.過労による労災支給決定がされた場合も新たに公表の対象となった

といった点です。

 

※追記:2016年5月19日、早期公表第一号事案が出ました。

公表されたのは千葉県にある株式会社エイジス。60人以上が1カ月当たり100時間越えの時間外・休日労働(最長は197時間)を強いられていたようです。※2017年5月に公表された送検事案の一覧については下の「社名公表の効果」の項にあります。

厚生労働省の発表はこちら

早期公表を受けての株式会社エイジスのコメントはこちら(リンク切れ)

 

社名公表の効果

ブラック企業の厚生労働省に社名を公表されたからと言って、懲役や罰金が科されるわけではありません。

 

しかし、場合によってはそれ以上の痛手を受けることもあります。

2013年の「ブラック企業大賞」を受賞したワタミは、翌2014年度の新卒採用を計画の半分しか達成できず、環境改善のために店舗数を大幅に縮小。2015年3月期には創業以来初の赤字に転落し、さらなる店舗数縮小を余儀なくされました。

同社の清水邦晃社長「ブラック企業と揶揄されることも業績に悪影響を及ぼしていると言わざるを得ない」とコメントしているように、世間にブラック企業と認識されることによる経営への影響は想像以上に大きいようです。

※「ブラック企業大賞」とは民間有識者で構成されるブラック企業大賞企画委員会が運営するその年に象徴的だったブラック企業を表彰(?)する企画。ネット投票では毎年2万件近い投票があるなど、社会的影響力が大きいといわれています。

 

国がブラック企業の社名を公表するということは、いわば国がブラック企業のお墨付きを与えるということ。民間の賞であるブラック企業大賞ですらこの影響力ですから、国による社名公表が企業の業績に与える影響ははなり知れないでしょう。

 

※追記:2017年5月10日、厚生労働省は労働基準関係法令に違反したとして最近半年間に書類送検し、社名を公表した全国334件の一覧表を初めて作成し、同省HPに掲載しました。原則として送検を公表した日から約1年間掲載し、毎月更新するようです。

違法な長時間労働や過労労災以外の案件も含まれており、書類送検もされている事案なので早期公表ではありませんが掲載しておきます。

以下厚生労働省HPへのリンク

掲載の基準や期間についてはこちら

公表された企業の一覧表はこちら【毎月更新】

 

それでもブラック企業はなくならない

ブラック企業大賞受賞による企業の業績への影響は数年前から広く認知されていることと思います。

しかし、2015年末にも、例年に勝るとも劣らない悪質なブラック企業が同賞で取り上げられていました。

また、web投票にも昨年とほぼ同水準の2万件以上の投票があるなど、ブラック企業問題を他人事と思えない人は依然として多いようです。

相変わらずのブラック企業大賞の盛り上がり方を見て、ブラック企業は全く減っていないのではないか、と考えるのも不思議なことではないでしょう。

 

そもそも、ブラック企業大賞にしろ、社名公表を含めた厚生労働省の措置にしろ、これらは対処療法にすぎません。

悪質なブラック企業が増加する根本的な原因は価格競争の激化等により、企業の業績が悪化していることです。

経営者や株主が甘い汁を吸うために、従業員に無理を強いている、というケースごくごく一部。

ほとんどの企業は好きでブラック企業化しているわけではないのです。

特に経済的基盤が小さく人員も少ない中小企業が業績不振からブラック企業化している場合、摘発されたとしても労働環境を是正できずに倒産し、ただ失業者が増えるだけになるケースも少なくないでしょう。

厚生労働省等が個別のブラック企業に対する措置をいくら講じたところで、根本的な解決にはつながらないのです。

 

また、将来的には機械の発達により、人間の労働力に対する需要が激減する可能性もあります。

2016年1月、人工知能が囲碁でプロ棋士に勝った、というニュースが日経新聞の一面をはじめ各所で大きく報じられました。

この人工知能にはこれまでのものとは違い、人間の直感を再現できる技術が採用されており、将来的にはベテラン医師並の精度でがんを検診する検査機械や、周囲の状況から危険を未然に察知する自動運転、万引きGメン並に不審者を見破ることのできる防犯カメラなど、従来は人間にしかできないといわれていた分野にも多数応用できるのではないか、と言われています。

 

こういった技術が発達し、コンピュータにできることが増えてくれば、人を雇うより機械を買うほうが安上がりな分野も増えてくるでしょう。

反面、労働者は縮小した労働需要を奪い合い、ますます賃金は下がることになります。

突き詰めていけば、労働環境がブラックかどうか以前に、企業に雇われて給料をもらう「サラリーマン」という生き方自体できなくなる可能性すらあるのです。

昨今の景気や技術革新を考えると、未来はサラリーマンにとって明るいとは言い難いでしょう。

 

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